がん治療|中野区鷺宮のさぎのみや動物病院は飼い主さんにとってわかりやすく、なんでも聞ける雰囲気での診療を心がけております

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がん治療

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犬猫のがん治療について(総論)

昨今の獣医療の進歩に伴い、ワンちゃんネコちゃんの寿命が延びてきています。喜ばしい事である一方、やはり人間と同様に”高齢であればあるほど発症しやすい病気”が出てきてしまう傾向にあります。高齢であればあるほど、と言えばもう皆様もご想像の通りですね。ワンちゃんネコちゃんも、”がん”の発症件数が飛躍的に増加しています。特にワンちゃんは”がんの遺伝子”を持った純血種が多く存在するため、特に発症件数が多くなります。今回は”がん”についての大まかなお話を書きたいと思います。

“がん”とは?

一般に”がん”というと、身体にできてしまったデキモノで、転移をしたりして命を奪う病気、というイメージを持たれている方が多いとおもいます。おおまかには間違いではありませんが、実は皮膚由来の悪性腫瘍   = 癌(がん)皮膚由来以外の悪性腫瘍 = 肉腫というように、皮膚か皮膚でないかで言葉が変わります。しかし、多くの患者様が”がん”という言葉でピンと来ていただける事が多いため、私たち獣医療サイドでも悪性腫瘍を全てまとめて”がん”と呼称しています。また、書面では”がん”とひらがなで書くと悪性腫瘍の総称として、”癌”と漢字で書くと皮膚由来悪性腫瘍として表記しています。

“がん”の発生と問題点

がん細胞は、身体を構成している細胞が”がん化”したものです。がん化する、とは本来細胞が持っている寿命や調整能力(隣の細胞を壊さないように増えたり、数が多くなりすぎないようにする)を全く無視した異質な細胞に変化する事を指します。がん化した細胞は無秩序に増殖を繰り返す事で、周囲の組織を巻き込んで破壊したり、神経や血管を潰す事で痛みや出血を引き起こしたりしてしまいます。また、本来はその細胞は産生し得ないような化学物質を大量に生産したりする事によって、全身に毒となる物質をばらまいて体調を悪化させたりする事もあります。そして最も怖いのが”転移”であり、本来あるべき場所に留まらずに全身にがん細胞が移り住んでしまう事があります。例えば、肝臓がんの細胞が肺に転移してしまうと、今度はがん細胞が肺を破壊し始めるので、肝臓病+肺の病気の症状が出てくる事になります。”がん”が命を奪うメカニズムは多岐に渡りますが、

①出血や神経障害
②全身に毒がまかれた状態になっている(癌性悪液質)
③転移病変が多臓器を障害してしまう(多臓器不全)
これら、上述の要素が大半を占めていると言えるでしょう。

“がん”の発見

がんを見つける際に重要なのは、ご家庭での皆様の気付きであると考えています。もちろん、診察時の身体検査(触診)でしこりに気付く事も多くあります。しかし、特に身体の表面の病変に関しては、飼い主の皆様に指摘していただく事が非常に多いんですね。(よ、良く気付きましたねコレ!!)と内心驚いています。そして、触る事のできない部位のがんの検出には定期的な画像診断(レントゲン検査・超音波検査)が効果的です。特に臨床的に良くがんを認める事がある、
1)レトリバー種(ドゥードゥル含む)
2)バーニーズマウンテンドッグ
3)ウェルシュコーギー(カーディガン、ペンブローク)
4)ミニチュアダックスフンド
5)その他の大型犬種
これらの犬種などでは中年以降(6歳〜)どこかで定期的な検査をはじめると良いでしょう。

“がん”の診断

がんの診断には、
①発生部位
②細胞形態(or組織形態)
の2つの情報が必要になります。②を知るためには、細胞検査or組織検査が必要になります。
細胞検査はがん本体から、
1)スライドガラスを押捺して標本を採取する
2)針を刺して細胞を採取する細胞診(Fine Needle Absorption)
といった2つの方式を用いて行います。
組織検査は、
1)がんを摘出して、まるごと検査に出す
2)がんの組織を削りとる(パンチバイオプシー、トゥルーカットバイオプシー)
の2つの方式のどちらかを選択します。発生部位によっては特殊な方法を選択する場合もあります。

“がん”の治療

診断がついたあとの治療は、がんの種類によって多岐に渡ります。治療が期待できるものも、まったく期待できないがんもあります。また、治療は期待できるが、治療自体の負担を考えると不適応になるケースもあります。その為、がん治療の方針決定には獣医師側から見たプラン提案と、ご家族の皆様から見たプランの評価が大切になります。さぎのみや動物病院では、通り一遍の決まったやり方でなく、飼い主の皆様の意思をお聞きしながら、その子その子にあった治療法を提案できるように心がけています。今後、様々な種類のがんについての個別の記事も載せていきたいとおもいます。

おおよその費用の目安

画像検査: レントゲン検査 胸部+腹部2方向ずつ 7040円
超音波検査   腹部 4400円(初回) 3300円(継続)
細胞検査: 細胞診検査  1箇所あたり 2200〜3300円
組織検査   1検体あたり 13200円(外注)

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